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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 26

平成26年1月20日~3月13日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。(画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日)。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成25年11月27日~26年1月19日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 25 にあります。
このひとつ後の 平成26年3月14日~5月7日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 27 にあります。


260313 /(slash) real/ideal シュンタロウ (~3/23) @ 72 Gallery (京橋三丁目)
(本人の写真と、その 「憧れのひと」 の写真を合成した、実在しない美男・美女の写真。合成前の写真セットと見比べるとおもしろい。)

260313 あなたならできるわ 伊藤幸久展 (~4/12) @ LIXIL Gallery (京橋三丁目)
(物語性の高い人物をテラコッタで塑造。紙パックから口をつけずに牛乳を飲む下着姿の彼女がぼくの部屋にいたら、どんなだろうね。昭和56年生まれ、金沢美工大彫刻 博士号取得。)

260313 ブルーノ・タウトの工芸 ― ニッポンに遺したデザイン The Craft Works of Bruno Taut (~5/24) @ LIXIL Gallery (京橋三丁目)
(現代の目から見てさほど新鮮を感じないのは、タウトのデザイン思想が今日に広く受け継がれたゆえか。5本の蝋燭を立てる金属台のデザインに、タウトのユダヤ人としての出自を感じた。在日後、トルコでアタチュルクに重用された。)

260313 鈴木 強(つよし) 松谷千夏子 展 ―日本画のいま、2つのかたち― (~4/20) @ 東京會舘ギャラリー (丸の内三丁目)
(多摩美日本画 院修了のおふたり。かたや祝祭モチーフの動物たちの装飾画、かたや鉛筆のゆらぎの線のかろやかさ。)

260312 3331 Art Fair: Various Collectors' Prizes (~3/16) @ 3331 Arts Chiyoda 1階メインホール (外神田六丁目)
(91人展。小村希史(まれふみ)さんの一連の油画が群を抜いていた。Michael Borremans そのものって感じ。コレクターの林千晶さんが賞をおくっていた。パルコキノシタさんの女の子イラスト+油画仕上げの絵もいい。昭和40年徳島生まれ、教師からイラストレーターへ転向。この2人の作品だけだったな、買ってもいいなと思わせてくれたのは。林千歩さんがビデオ映像2点を出展。平成25年作 「あの日、僕は君を見つけた」 (2分) と平成26年作「きみは捨てられないといいね」 (4分13秒)。「きみは…」 は過去作品のリメイクかな?)

260309 アートフェア東京2014 (~3/9) @ 東京国際フォーラム 地下2階 展示ホール
(観覧2日目のきょうは、入って左側のブース群。とんがった現代アートやアジア諸国の出展は、こちら。山本現代の立石大河亞(タイガー)さんのシルクスクリーン作品が20万円×9枚。うち2枚に相当惹かれたが、我慢。Takashi Somemiya Gallery の炭田紗希(すみだ・さき)さんの、西洋モチーフに神道デザインをぶつけるアンバランスがおもしろく、価格も手頃だったので心が揺れた。ジャカルタの ROH Projects の Agus Suwage さんの大判水彩画は現代生活風景にインドネシアの仮面も巧みに滑り込ませる。台北の TKG+ の陳敬元 (Chen Ching-Yuan) さんのシュール油画が、荒削りだけど気になる存在。)

260308 写真と絵画のシンクロニシティ (~3/16) @ Bunkamura Gallery (道玄坂二丁目)
(平 久弥(たいら・ひさや)、小池真奈美、長瀬武志の、丁寧なリアリズム描画から生み出されるプラスアルファに ちくちくされた。)

260308 田中千智(ちさと)展 ―静かな夜の灯― (~3/11) @ Bunkamura Box Gallery (道玄坂二丁目)
(田中千智作品はギャラリー現で漆黒背景の風景を見、VOCA展で見て、心に刷り込まれた。今回は人物の存在感が著しい。)

260308 アートフェア東京2014 (~3/9) @ 東京国際フォーラム 地下2階 展示ホール
(観覧1日目のきょうは、入って右側のブース群。古美術をはじめ、よく行く画廊はおおむねこちら。「アートコレクターズ」 の配布用号外は右側ブース群だけ取り上げていました。金沢卯辰山(うたつやま)工藝工房の野口 嶺(れい)さんの、蓋を開けて肉を覗かせた栄螺(さざえ)の金工作品に惹かれた。60万円なので断念。角匠さんの春画、とくに肉筆絵巻や月岡雪鼎の 「春宵秘戯図」 12図1巻が、みごと。大屋書房の妖怪もの、龍斎遊梢の 「百鬼絵巻」 や和本の数々。これから集めていくなら和本かなぁ。絵は管理がしんどいし。Gallery Suchi さん、売行き良し。「完売を目指してます」 と須知吾朗さん。弥栄(やさか)画廊の香月(かづき)泰男作品も気になる。)

260307 兵頭喜貴(ひょうどう・よしたか)模造人体シリーズ第5弾 さらば金剛寺ハルナとその姉妹 ~愛の玩具たち~ (~3/15) @ ヴァニラ画廊 B室 (銀座八丁目)
(廃墟や古民家にラブドールたちを連れてきて演じさせて写真撮影する、じつに手間のかかる作業の記録。愛媛県東宇和郡野村町 (いまの西予市) の地方政治家の家に生まれ、日大 映像藝術 院修了。)

260307 妄想藝術劇場02 ぴんから体操 (~3/15) @ ヴァニラ画廊 A室 (銀座八丁目)
(女体もこもこカラフルイラストは豊満昆虫化し、その対極にあるカトロイラスト群。ぴんから体操さん、昭和42年生まれ。)

260307 国画会のチカラ (~3/15) @ Reijinsha Gallery (銀座六丁目)
(17人展。上野健三さんの 「蟹」、童画のようで、工藝のようで。熊沢麻衣子さんの油画、配色のセンス良し。昭和58年、愛媛生まれ、鳴門教育大 美術 院修了。)

260307 まちゅまゆ展 ~偽りの世界~ (~3/9) @ ギャラリー枝香庵 (銀座三丁目)
(同じ少女キャラでも、ペン画はコミカルに、油画はダークに。ちょっと煮詰まってる感じがする。次の突破口を探してるところかな。)

260306 Michael Borremans: The Advantage (~3/30) @ 原美術館 (北品川四丁目)
(ミヒャエル・ボルマンス。昭和38年、ベルギー生まれ。彼のフィルターを通してモノを見ると、自分も無言の嗤いのステージに立っているような気がする。“Mombakkes II” (仮面),“Red Hand, Green Hand”.)

260304 相田みつを生誕90年 念ずれば花ひらく ―坂村真民(しんみん)と相田みつをの世界― (~6/8) @ 相田みつを美術館 (丸の内三丁目)
(相田みつを、って わざとらしさがプ~ンと臭って、ぼくは好きになれず、勤務先至近距離のこの美術館も避けていた。今回はわが故郷愛媛県は砥部町に居を構えた坂村真民の書の展示があるというので行ってみた。真民さんの真摯で直截な書には親近感を感じたが、もったいぶった みつを は、やはり大嫌いだ。)

260301 藤田貴也 個展 (~3/1) @ Gallery Suchi (日本橋茅場町二丁目)
(緻密を極めた、女性たちの写実。うち一人は、ウイグル人という。)

260227 三菱商事アート・ゲート・プログラム 第22回チャリティー・オークション作品展 (~3/6) @ Eye of Gyre (神宮前五丁目)
(唯一目をひいたのが渡辺佑基(ゆうき) 「賽」。サイコロの面をほどよく立体的に並べたイリュージョンは、見ていて快適。武蔵美在学中。)

260227 小川 剛(ごう) Light scattering (~3/16) @ フォーラム・アート・ショップ内ギャラリー (東京国際フォーラムB棟1階)
(prismatic cosmos シリーズは、彩色したキャンバス上をガラス珠で覆った。solid prism はガラスのミニ山河。prismatic crevasse は模様も描画もない つるりとした虹色平面を額装。これはアートか工業製品か。昭和56年生まれ、東京藝大 院修了、C-Depot 所属。)

260226 ミヤマケイ個展 「兆し」 (~3/1) @ 壺中居 (日本橋三丁目)
(3階は、影絵文字が映り出るガラスと古布をうまく使った掛軸。2階は、手を模した陶。ミヤマケイさんの著作2冊買って、サインをいただいた。)

260226 坂口 健(けん)作陶展 「彩気」 (~3/4) @ 日本橋高島屋6階 美術工藝サロン (日本橋二丁目)
(坂口健さんの陶は意匠も色もぼく好み。毎回1点ずつ買って日常使いしています。今回は汁碗として「青刻碗」を購入 (nau mil + i)。)

260225 常設展 @ 若山美術館 (銀座二丁目)
(気になっていたが所在地がよく分からず、この日が初訪問。企画展の 「明治・大正・昭和 大衆メディアでつづる日常の中のスタイル展」 が前日で終了していた。常設スペースは所蔵の雑誌の表紙を展覧。オーナーは老境に銀座で蔵書に囲まれ、しあわせな書斎だ。)

260225 源馬菜穂(げんま・なほ)展 (~2/25) @ LIXIL ギャラリー (京橋三丁目)
(幅広の刷毛で、かすれるほどのパステルカラーをとどめることで世界をつくる。下手なのかうまいのか、よく分からないが、あれは何だったんだろうと後をひく作品群。昭和60年生まれ、愛知県立藝大油画版画 院修了。)

260225 凍陶 氏家昂大(うじいえ・こうだい)展 (~3/3) @ LIXILギャラリー ガレリアセラミカ (京橋三丁目)
(平成2年生まれ、東北藝工大工藝 院在籍の若さ。立派に伝統の技を受け継ぎつつ、まったく爺むさくない。陶職人の生き方とロックバンドのセンスが矛盾せず作家の中で一体化している。本格的に陶にのめり込んだのは学部3年のときという。)

260224 島からのまなざし Island View なぜ今、アーティストは島へ向かうのか (~3/7) @ 東京都美術館 ギャラリーB
(6人展。林千歩(ちほ)さんが小豆島で平成23年制作のビデオ “You are beautiful” と関連絵画・オブジェを出展。村上佳苗(かなえ)さんの 「昔語(むかしがたり)」。大小島真木(おおこじま・まき)さんの密度の濃い装飾幻想画の小品たちもすてき。)

260224 都美セレクション 新鋭美術家2014 (~3/7) @ 東京都美術館 ギャラリーC
(5人展。原田 圭(けい)さんのシュールものは丁寧な作画で、遊び絵も正統派人物写実もできるひと。昭和62年生まれ、東北藝工大油画 院修了、東京藝大油画技法材料研究在籍。川島史也さんの彫刻も意表をつく角度でモノに向き合っているのが新鮮。平成元年生まれ、宇都宮大美術教育卒、筑波大藝術 院在籍。)

260224 東北藝術工科大学 卒業・修了展>東京展 (~2/27) @ 東京都美術館 第3・4展示室、ギャラリーA
(洋画修士の田中 望(のぞみ)さんの 「縁起式」 は 2.3米四方のパネルに兎が円舞する。彼女の作風は、絵巻物形式のほうが断然合ってるな。総合藝術 高橋美帆さんの 「とうめいの影」 は美文学漫画。)

260223 土渕信彦コレクション 「瀧口修造の光跡IV 手が先き、先きが手」 展 (~3/2) @ TS4312 (四谷三丁目)
(デカルコマニーを中心に。後期展示。)

260223 第37回東京五美術大学連合卒業・修了制作展 (~3/2) @ 国立新美術館 1A~1D・2A~2D展示室
(いち押しは、多摩美油画 熊倉涼子さん “Love Is Blind”. 大きな2匹の熊のぬいぐるみにイノチが宿っている。紫系の色で大画面をみごとにまとめている。多摩美油画 篠崎洋佑さん 「おにいちゃん!」、ウェディング姿のかわいい子が振り向いてくれる。多摩美油画 井口美香さんの人物ドローイング群も気になる存在。武蔵美油画 秋元瀬南(せな)さん 「盤上の幻」 は古典的なシュール画。武蔵美日本画 修士の Jonathan Whiston Ciaran さんの人物三連作のタッチがおもしろい。東京造形大 星久美子さん、リカちゃん人形超えのドール写真たち。)

260222 生誕100年 萩原英雄展 天から与えられた僕の仕事 (~2/23) @ 武蔵野市立吉祥寺美術館 (吉祥寺本町一丁目)
(特別展ちらしの昭和48年油画 「ピエロ」 にルオーを感じて期待しすぎた。高名なる作家であることだけは認識を新たにしたが。常設展示の萩原英雄記念室と浜口陽三記念室の展示のほうがハイレベルだった。)

260220 森美術館10周年記念展 アンディ・ウォーホル展 永遠の15分 (~5/6) @ 森美術館 (六本木六丁目)
(シンガポール、香港、上海、北京を巡回して、ようやく東京に来た展覧会。セレブのポートレートシリーズが圧巻だが、実験映像作品や、ウォーホル自身が出演して日本語で色の名を発音する TDK ビデオテープの CM など、多彩な展示。でも、ぼくのいちばんの気に入りは1950年代の初期作品。ブロッテド・ライン (インクのボテのある線) で描いたファッション誌向けのイラストだ。)

260220 ラファエル前派展 テート美術館の至宝 英国ヴィクトリア朝絵画の夢 (~4/6) @ 森アーツセンターギャラリー (六本木六丁目)
(閉館前の30分、ジョン・エヴァレット・ミレイの 「オフィーリア」 や 「両親の家のキリスト」 をじっくり独占して、信じられない贅沢な時間を過ごした。ロセッティの美女 「プロセルピナ」 ともゆっくり対面したが、冥府の毒入り女神である。ぼくは石原さとみちゃんのほうがいいなぁ。)

260220 平俊介展 「裏平成都市論」 2 (~3/8) @ Gallery MoMo Projects (六本木六丁目)
(東京藝大の修了展と同じ作品展示だったので、「やられた!」 と思ったが、藝大絵画棟より明るい照明の下、落ち着いて見られて よかった。)

260220 川上 勉 展 ―Sleeping beauty― (~3/1) @ ヴァニラ画廊 (銀座八丁目)
(可憐な少女姿のメドゥーサの壁掛けオブジェなど。)

260220 昭和会展受賞記念 福島万里子展 (~2/25) @ 日動画廊 (銀座五丁目)
(描かれた女性たちの表情にパワーあり。大作の構成は SF 的。日動画廊には珍しく、「独立」 の作家によくありそうな現代アートで、これがまたよく売れていた。日動画廊の路線転換の契機になるのでは?)

260220 三浦悦子人形作品集出版記念展 聖餐 Eucharist (~3/1) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(写真集を革の衣装で包む特装版もあり。人形そのものは、鬱方向に自己模倣する、このジャンルに典型的な罠に落ちている気がする。)

260219 江戸の面影 The Nostalgic Images of Edo 浮世絵は何を描いてきたのか (~3/2) @ 千葉市美術館 (千葉市中央三丁目)
(作品の質・量とバラエティから言って、大浮世絵展に勝るとも劣らない。客が少なくて落ち着いて見られるので、千葉市美術館が断然よろしい。来た甲斐があった。美術館自身が所蔵する絵巻、享和3年の 「東都繁昌図巻」 や文化年間の 「三福神吉原通い図巻」 など絶品だし、七代目市川団十郎を描いた2面の大型絵馬額、万延元年の三代歌川豊国の2本の錦絵団扇もよく残っていたものだ。
新収蔵作品展 「画家たちの一万時間~写生・下絵・粉本類を中心に」 も絵描きの営みを語ってくれる。)


260219 国際浮世絵学会創立50周年記念、江戸東京博物館開館20周年記念特別展 大浮世絵展 (~3/2) @ 江戸東京博物館
(1月31日に前期展示は見たので、きょうは後期展示をのぞきに。水曜午後というのに大変な人出。こりゃ週末など、話にならぬ阿鼻叫喚だな。読売新聞がタダ券でも配ったのかね。肉筆浮世絵の中では、寛文年間の 「扇舞図(おうぎまいず)」 の躍動と、歌麿の 「夏姿美人図」、北斎の大画面 「弘法大師修法図」。)

260218 小林茜・斉藤沙紀展 (~2/28) @ ギャラリー ツープラス (日本橋二丁目)
(ツープラスが銀座一丁目から日本橋二丁目へ移ってから初めて訪廊。写実鉛筆画の斉藤さんと、こまごまにぎやかペン画の小林さん。)

260218 成田朱希(あき)個展 “ヒステリア” (~3/8) @ 不忍画廊 (日本橋三丁目)
(成田作品のエロチシズムは奥野ビルのアモーレ銀座ギャラリーなどでも見てきたが、さすが不忍画廊向けは作品の緻密さ・丁寧さが一段上。画面枠に窮屈そうに納まる油画の女性たちもいいけど、鉛筆画の猫娘がまたいい。買いたい蟲。)

260218 豊海(とようみ)健太展 ―いつか― (~2/22) @ ギャルリー東京ユマニテ bis (京橋二丁目)
(昭和63年生まれ、金沢美術工藝大の院で漆藝に取り組む。もともと油画志望だったこともあり、モチーフは幻想画に通じる。油画に進めなかった経緯は不本意なこともあったわけだが、今や漆藝や金工、螺鈿細工の技も駆使できる幻想オブジェ作家として、オンリーワンの存在となった。塞翁が馬だ。)

260218 安井寿磨子銅版画展 (~2/22) @ ギャルリー東京ユマニテ (京橋二丁目)
(エッチングに手彩色というとあくまでエッチングが主であることが多いが、安井作品はパステルを化粧品のように使って女性を慈しむように彩色する。パステルの描き跡がまったく見えず水彩画としか思えぬ驚異の技だ。)

260217 立澤(たつざわ)香織個展 Portrait 4 (~2/22) @ Gallery 銀座フォレスト (銀座一丁目)
(立澤作品4枚目の “so sick!” 購入 (dudek mil)。カラフルで楽しい個展でした。)

260217 中里和人(なかざと・かつひと)写真展 「光ノ気圏 (~3/1) @ 巷房 1 + 2 + 階段下 (銀座一丁目)
(越後妻有地域と房総半島には隠し田に通じたらしき たくさんの素掘りトンネルがあるのだそうで。泥岩・凝灰岩の地層が掘りやすかった由。水の流れる素掘りトンネルを越後では「間部(まぶ)」、房総では「川廻し」と呼んだ。昭和31年生まれ、法政大地理学科卒。)

260215 クウキのヨメナイワタシたち展 (~3/9) @ Capsule + Sunday + Sunday Cafe (池尻二丁目)
(6人展。松川朋奈さんから案内が来て、行った。気さくな、かわいいひとでした。松川作品は女性靴大作2点とアイスクリーム食後の小品新作1点。
クラークソン瑠璃さんの刺繍作品は、文字メッセージで勝負する作品。基本的に 「反文字派」 のぼくですが、カーテンに刺繍された妊娠メモも、カフェの小品群も、たのしい書道として楽しめた。なぜでしょう。
畠山靖子さんの 「次です」 は、報道番組の 「さて」 「次です」 「続いて」 などの接続語だけを繋いだ音声作品。これもありだな。ジャンルとしては演劇というよりアート。
こうして見ると、絵のタイトルが長文の松川朋奈さんといい、他の作家たちもそれぞれ <言葉> をアートの要素として色やかたちと同じレベルで向き合っている。)


260215 Four Ossans' Collections of Art (~2/16) @ Gallery 空(くう) (東上野三丁目)
(VOCA 展の向うを張って FOCA 展。石堂琢己・丹伸巨・橋谷(はしや)勇慈・池原操(みさお)の4人の 「おっさん」 コレクターの持ち寄り展だが、想像以上に充実していた。コレクターと作家との交流の歴史、コレクターそれぞれが重ねてきた年月まで読み取れて、ドラマに満ちていた。作家ごとに作品を複数点展示したのも正解。Gallery 空は、1階と2階を合わせると40メートルの壁面が取れる。初めて行ったが、すてきなスペース。美樂舎のマイコレ展、ここで開催に賛成。)

260215 クリーブランド美術館展 The Cleveland Museum of Art 名画でたどる日本の美 (~2/23) @ 東京国立博物館 平成館 特別展示室第1室・第2室
(時間配分を間違えてせわしなく観てしまった。事前に図録を読んでいたので助かった。「福富草紙絵巻」 がいい。河鍋暁斎の 「地獄太夫図」 をもっとじっくり見たかった。)

260215 日本伝統工藝展60回記念 人間国宝展 生み出された美、伝えゆくわざ (~2/23) @ 東京国立博物館 平成館 特別展示室第3室・第4室
(父が尊崇していた宮入行平さんの 「太刀 宮入昭平作」 の長い切っ先の放つ光に圧倒された。加藤卓男さんの 「三彩花器 爽容」 が優雅。振袖や訪問着もうつくしいが、やはりぼくはアートに物語を求めているのだな。工藝より絵画に興味がいくのは、たぶんそのせい。)

260214 国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ、風景をみる眼 ― 19世紀フランス風景画の革新 (~2/23) @ 国立西洋美術館
(簡単には行けないポーラ美術館の名品を見られたのが収穫だが、モネ展と名づけるのは過分か。睡蓮の絵も2点のみで、うち見どころのある大作は松方コレクションなので常設展で見ている。ポーラ美術館の 「Etretat の夕焼け」 のローズ色が鮮烈。)

260214 プライベート・ユートピア ここだけの場所 ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在 Private Utopia: Contemporary Art From The British Council Collection (3/9) @ 東京ステーションギャラリー (丸の内一丁目)
(27人展。コレクションは固定の美術館を持たず、水色の木箱で世界を巡回しているのだと。すてきな企画だ。作品群は、はじめ卒展・修了展並みのように思えたが、だんだん本領に圧倒された。ちらしに使われている宇宙人の顔みたいなオブジェ The Fourth Baron Egerton's 16-Plumed Bird of Paradise は、Ryan Gander さんの壮大な虚構の一部品。オブジェと新聞記事で構成する緻密な遊びだ。Jim Lambie さんの、グリッターで覆ったレコード・ターンテーブル。John Wood さんと Paul Harrison さんのビデオ作品4点。)

260212 川人未来(かわひと・みき) 淵(えん) (~2/15) @ art space kimura ASK? (京橋三丁目)
(墨絵のように見えるが、感熱紙に灼熱する金属片を転がし押し当てた作品。制作過程のビデオもおもしろい。制作の廃墟と化してとぐろを巻く感熱紙も個展のオブジェにしてしまったのは正解。平成2年生まれ、九州造形短大卒、和光大卒。)

260212 さんちてん (~2/15) @ ギャラリー檜 Plus (京橋三丁目)
(3人展。波磨悠子さんが版画作品を 3D に仕立てていた。)

260212 天明里奈(てんみょう・りな)展 (~2/22) @ Gallery Tsubaki/GT2 (京橋三丁目)
(髪の部分を黒漆で装った女性像。曲面造形のセンスが特徴的。口元に今一歩のかわいさがあればとも思うが…。これからどう進化するか楽しみな作家。昭和61年生まれ、東京藝大漆藝卒。)

260212 池田鮎美(あゆみ)展 (~2/22) @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目)
(水たまりに反射して倒立する人影と、その上に舞い落ちた葉。たたき流れる筆致で、質感をみごとに描き分ける。昭和39年生まれ、武蔵美 院修了、チェルシー美大 院修了。)

260209 岡倉天心生誕150年・没後100年記念 生誕140年記念 下村観山展 (~2/11) @ 横浜美術館 (みなとみらい三丁目)
(行こうと思っていた2月8日は大雪で巣籠りした。雪の残る今日、意を決して行った。人物画イノチのユキヲ必見の回顧展だった。)

260207 日本美術院再興100年特別展 世紀の日本画 (~2/25。全作品展示替えののち ~4/1) @ 東京都美術館 企画展示室 (上野公園)
(全62点の前期展示。小松平均(ひとし)の「雪の最上川」。8枚のパネルで壮大に、しかしあくまで細やかに描かれる北の風景の物語。この一作を見られただけでも、価値ある展覧会。
昭和56年に郵便切手にもなった保田靫彦(ゆきひこ)の 「飛鳥の春の額田王(ぬかたのおおきみ)」 のシャープな彩線にうたれた。ダークな 「五合庵の春」 も、謎めいていて記憶に奥深く刻まれた。「風神雷神」 のういういしさ。後期展示に予定される靫彦の 「御産(ごさん)の祷(いのり)」 も楽しみだ。
今村紫紅(しこう)の 「熱国之巻」 から 「熱国之朝」。撒き砂子のような3色の虹に、長い漕ぎ船のシーンがすてき。
中村岳陵の 「婉膩水韻(えんじすいいん)」。小林古径の 「阿弥陀堂」。
展覧の掉尾は小倉遊亀の 「径(こみち)」。見るのは3度目だろうか。買い物かごの母と誇らかな犬の間で日傘を捧げ持つ女児は、修行僧のイメージだったと知って、改めて眺め入る。)


260207 Field of Now 2014 (~2/8) @ 銀座洋協ホール (銀座六丁目)
(充実した13人展なのに 2/5~2/8 のわずか4日間。富田菜摘さんの新聞紙コラージュレリーフ 「騎馬戦 ― 国会乱闘」 「社長さん先頭、前へならえ」。柴田まどかさんの大柄でヴィヴィッドな花々の絵。原太一さん、写実人物とプリミティヴ幻想を組み合わせた。玉井祥子さん、土佐典具帖紙を綿のように毛羽立たせて、ペンで墨を入れるた。鎌谷(かまたに)徹太郎さんのピカソとフェルメールのパロディー。)

260207 ギンザ・グラフィック・ギャラリー 第330回企画展 「指を置く」 展 佐藤雅彦+齋藤達也 指を置くことで、解釈が変わる。 (~2/28) @ ギンザ・グラフィック・ギャラリー (銀座七丁目)
(理屈っぽい美大生的に言えば、身体性の解明。脳が意味を見出す位置に指先を置くや否や、脳が勝手にストーリーを紡ぎ出す。その不思議を作品との 「触れあい」 を通じて実体験する。)

260207 狭間にあるもの 今林明子/椎木(しいき)かなえ/西川美穂 (~2/20) @ Reijinsha Gallery (銀座六丁目)
(色彩観がくっきり異なる3人が描く人物。写真デフォルメふうモノクロの今林さん。臙脂・焦げ茶の幻想具象の椎木さん。補色の原色衝突の西川さん。)

260207 王道か 異端か。重野克明・山城有未(やましろ・あみ)・小野耕石(こうせき) (~2/8) @ 養清堂画廊 (銀座五丁目)
(おもしろい組み合わせ。3人とも東京藝大版画 院修了。山城有未さんのメゾチント作品がよく売れていた。この売れ方は、作家が美人かどうかによるところ大かな。小野耕石さん、再びオーソドックスな玉虫色平面。この平面をスパッとえぐった作品が見てみたいのだけど! 重野克明さんのヘタウマふうエッチング+ドライポイントは、去年 日本橋高島屋の個展がおもしろかったね。滝川クリステルとドライブの図に微苦笑。)

260206 大槻香奈個展 「生処に帰す」 ―実感としての生死の先に― (~2/9) @ The Artcomplex Center of Tokyo, B1F (大京町)
(もう一度、見に来た。ぼくが買った平成24年作品 「夢を待つ街」、ガラスがゆっくり割れていくような感じがいい。会場入り口左手の映像展示の向かいにある平成21年作品 「命の塵」 が、絵画としてはいちばん良い。かわいい系ではないけど、黒い塵が鳥の羽ばたきの形なのが効いている。)

260206 細密展 2014 (~2/9) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT 1・2 (大京町)
(17人展。うち、山元知(さとる)さんの池田 学さん張りの彩色ペン画が秀逸。絶壁へ傾いた公道にはガードレール代わりに土俵の俵。対戦相手を吊り上げる力士がそこに足をかけている。作品 「土俵際」、売れてなければ買っていた。いっぽう、Kyohei Sugiyama さんのブルーのボールペン画は看板まみれの九龍城。文字まみれだが、彼の絵の場合は見ていられる。)

260206 龍口経太 個展 (~2/8) @ Gallery 銀座フォレストミニ (銀座一丁目)
(耽美少女の小品が売れていた。90万円でした。昭和47年生まれ、東京藝大日本画 院修了。)

260206 加藤 力(りき)展 (~2/22) @ Gallery Cellar (京橋三丁目)
(都市空間に渦巻く紅焔。画廊は赤いビニールボールでポップな装い。昭和40年生まれ、東京藝大油画 院修了。)

260205 渡辺千尋展 “象の風景、ふたたび。” Chihiro Watanabe 1944-2009 (~2/8) @ 不忍画廊 (日本橋三丁目)
(恥ずかしながら、女性かと思っていました。ビュラン鋭きシュールな風景と、心安らぐ朦朧とした色彩世界の両方を表出した、高名な版画家。昭和54年作品 「机上の惨事 Calamity on the table」 買いたい蟲だが、とんでもないお値段でしょうね。)

260203 KOWAII 展 IV (~2/16) @ 新井画廊・アートデータバンク (銀座七丁目)
(28人展。このジャンルも見慣れてしまって新鮮感が無くなったのは、自分が鈍化したというべきなのか。そのなかで光るのは先ず、西村沙由里さんの龍のエッチング・アクアチント。とくに青みがかった最新作はシートで2万円以下だったので、買いたい蟲がうずく。紙細工に焼きで茶色を入れるウチダリナさんは、銃を構えたミニチュア兵士を型どりで制作。銃口部分を燃やし、下に敷いた白紙も焼きで兵士の影をつけた。人物をモチーフにする方向転換はいい。リナさんがどう展開していくか、修了展以来ずっと気になっている。)

260203 野田哲也 代表作 1968 - 1981 (~2/15) @ シロタ画廊 (銀座七丁目)
(昭和15年生まれの高名な版画家による Diary シリーズから。愛嬢の成長スナップなどの写真に鉛筆で手をいれて謄写ファックス製版した孔版版画。)

260203 嘘白 -Kyohaku- 日隈愛香展 (~2/8) @ ヴァニラ画廊 B展示室 (銀座八丁目)
(石粉粘土の球体関節人形。骨もさらりと露出させていますが、ここに清らな微笑みがプラスされれば、もっとゾクッとするはず。)

260203 Exhibition of INSIDE artzine: Jenz Dieckmann/Seth Siro Anton/Ben Newman/Trez Orb (~2/15) @ ヴァニラ画廊 A展示室 (銀座八丁目)
(ドイツ発のダークアート雑誌に集うアーティストたちの作品展。創刊者 Jenz Dieckmann さんの写真コラージュ。ギリシアの Seth Siro Anton さんの率いるバンドのロックも会場に流れる。フランスの Trez Orb さん作品は哲学的。英国の Ben Newman さんのコミカル油画。そして豪国 Mark Powell さんの血と内臓あふれるインスタレーションの写真。INSIDE artzine 誌のバックナンバーの販売も。……でもね、でもね、ダークアートって、どんどん袋小路に入り込む。純化プロセスとしての自己模倣で煮詰まる。)

260203 すとりーと百景 (~2/23) @ 東京国際フォーラム B棟1階 フォーラム・アート・ショップ内ギャラリー (丸の内三丁目)
(NAGA さんの「富嶽三十六景」パロディー。ちょんまげ和服でスニーカー履きのスケボー男たち。日本橋の倉庫の白壁には現代落書き。技があるから 「ひょっとしたら感」 があるので楽しい。)

260201 富士フイルム株式会社創立80周年記念コレクション フジフイルム・オンリーワン・フォトコレクション展 日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」 (~2/5) @ Fuji Film Square (赤坂九丁目)
(作品101点。じつに見ごたえあり。図録もあり、買いたい蟲。もし、1人の写真家の3作品+解説という構成だったら、2倍の値段でも買っていた。)

260201 富士フイルム写真歴史博物館企画写真展 Wynn Bullock 光に見せられた写真家 ウィン・バロック作品展 (~3/31) @ Fuji Film Square (赤坂九丁目)
(森林のなかの妖精のような子供。恵比寿の写真美術館で心奪われたことのある作品の数々だ。)

260131 国際浮世絵学会創立50周年記念、江戸東京博物館開館20周年記念特別展 大浮世絵展 (~3/2) @ 江戸東京博物館
(2月3日の展示替えで大半の作品が入れ替わるので、その前に行けてよかった。国宝 「風俗図屏風 (彦根屏風)」 は1月14日までの展示で、いまは出光美術館所蔵の 「江戸名所図屏風」 に入れ替わっていた。溪斎英泉 「浮世風俗美人競 万点水螢秋草中」 の美人がモダンで好き。葛飾北斎の肉筆画 「墨堤三美人」 「美人夏姿図」。歌川國貞 「大当狂言内 阿古屋」 の顔のデフォルメが強烈に現代。歌川國芳の 「里すゞめねぐらの仮宿」 は吉原を雀であらわす。光線画の小林清親が、西洋版画ふうから遊び絵まで、じつに多彩な作品を作っていることも発見。それにしても、この展覧会、春画がひとつも無いな。画龍点睛を何とやら。)

260130 岡崎乾二郎(けんじろう)展 (~2/22) @ 南天子画廊 (京橋三丁目)
(手描きセラミックタイルを壁面と床に。うすいベージュに、くすんだ青の躍動。油画は画面をパレットナイフで塗り分けているだけだが、絵具の美しさをつくづくと味わう。)

260126 土渕信彦コレクション 「瀧口修造の光跡IV 手が先き、先きが手」 展 (~3/2) @ TS4312 (四谷三丁目)
(デカルコマニーを中心に。前期展示。土渕信彦さんのギャラリートークあり、大盛況。)

260126 2014 日洋会選抜展 (~1/31) @ 東京都美術館 (1階第3展示室)
(好みの作品が多く、さすがのレベルでした。)

260126 第62回 東京藝術大学卒業・修了作品展 (~1/31) @ 東京都美術館 (1階第1・2展示室、ロビー階第1・2展示室、B2階 ギャラリーC、B3階 ギャラリーA)・東京藝術大学 (大学美術館、絵画棟、総合工房棟)
(昨年に比べて見どころがやや減ったように思えたが、いろんな才能に会えた。建築展示が増えたかな。日本画は昨年は灰色系の彩色が多すぎたが、今年は彩色がいきいきとしてきた。いずれブログ本篇でレポートします。)

260124 Kaleidoscope 若手作家日本画展 (~2/11) @ 靖山画廊 (銀座五丁目)
(さすがの10人展。泉 東臣、大野友梨子、大矢真嗣、木島久美子、塩崎 顕、須藤和之、武田裕子、坪田純哉、東儀恭子、渡辺真木彦の皆さん。)

260124 奄美群島日本復帰60年 『田中一村作品集[増補改訂版]』 刊行記念企画 田中一村展 (~1/30) @ 永井画廊 (銀座四丁目)
(初期作品や色紙、奄美の名作のリトグラフ版など。大正4年、一村7歳の墨画淡彩 「菊図」 が、模写とはいえ既に見事な腕。一村の父・稲村が手を加えたところを、それがあると自作ではなくなるからと一村が破り取った跡がある。)

260123 勝井三雄(みつお)展 兆しのデザイン (~1/31) @ ギンザ・グラフィック・ギャラリー (銀座七丁目)
(光のスペクトルの鮮烈な輝きとゆらぎをモチーフにした装幀やポスター。デザインを貫く美意識は一貫しているが、自己模倣に陥っていないのが、さすが。1階壁面展示の映像作品もうつくしい。)

260123 ホルベイン スカラシップ選抜展 Vol. 2 2014春 ~布石~ (~1/31) @ Reijinsha Gallery (銀座六丁目)
(11人展。去年、シェル美術賞展で過去受賞者としてハイパーリアリズムの秀作を展示していた松川朋奈さんの小品3点が、あるべき価格の5分の1の超安値(当然売れているが)。あまりに配慮が無さすぎると画廊のマネージャーを叱った。松川さんに注文画を描いてもらうべく、画廊に仲介を依頼した。)

260123 中村ケンゴ 「心文一致」 (~1/31) @ Megumi Ogita Gallery Showcase (銀座五丁目)
(顔文字 (emoticon) をモチーフに、和紙に岩絵具とアクリル絵具でパウル・クレーのような絵。顔文字といっても、(^o^) ← こういう和文顔文字は情緒的で絵を喰ってしまうが、作家が使うのは :-) ← こういう無機質な英文顔文字や、顔文字パーツとしての Д や ε なので救われた。)

260123 ティム・レイマン作品展 [極楽鳥 “Birds of Paradise”] 写真と4K映像による新しい表現世界 (~2/3) @ Canon Gallery S (港南二丁目)
(品川の、以前職場があったビルの付近。画廊巡り開始後、初めて来た。Tim Laman さんは昭和36年、東京生まれ。極楽鳥は、美しく進化する前はカラスのような鳥だったそうな。)

260122 まつッ展 (~1/26) @ Oギャラリー UP・S (銀座一丁目)
(子供百態を限られた色だけでパレットナイフで描いた油画と、牛乳パックの裏に描いたドローイング。うまいし、超安値。こうなると、買うか買わないかは、作家がかわいい女の子かどうかということになるが、「まつッ」 さんはなんと独身お兄ちゃんなのでした。)

260122 Kizashi 友禅の斬新、漆藝の大胆 (~2/2) @ Pola Museum Annex (銀座一丁目)
(友禅染で現代絵画を描く石井 亨(とおる)さんは昭和56年生まれ、東京藝大染織 博士後期課程在籍。色の技は一頭地抜いているが、絵画デザインに¥マークや髑髏、企業ロゴのようなありきたりの記号を使い過ぎ。むしろ、他のデザイナーとコラボしてみてはどうか。漆藝で伝統的紋章に新風を入れる岩田俊彦さんは昭和45年生まれ、東京藝大漆藝卒。2人の制作風景とインタビューのビデオあり。)

260122 実験工房展 Jikken Kobo 戦後藝術を切り拓く (~1/26) @ 世田谷美術館 (砧公園)
(実験工房の運動がもたらした典型作は、貧しい。オブジェ写真や現代音楽は、今日から見ると同工異曲で退屈だ。当時としては、既存をいったん否定しなければ運動は起こせないから、既存の文化要素を使わないことを至上命題とする余り、ムリが生じた。しかしこの運動により新しい技が研がれて、それが既存と合流することで今日の藝術にも貢献しているのは確かだろう。)

260121 大槻香奈個展 「生処に帰す」 ―実感としての生死の先に― (~2/9) @ The Artcomplex Center of Tokyo, B1F (大京町)
(neutron tokyo で何度も作品を見てきた作家で、この大個展を心待ちにしていた。「夢を待つ街」 を購入 (tricent kvindek mil)。ひとわたり作品を見て、「夢を待つ街」 がもっとも純粋に大槻香奈ワールドを結晶させているなぁと思いながら2階へ上がったら、そこに式田譲さんと澤登丈夫さんが来られ、再度 B1F でその作を見ようということになり、ぽんと背中を押された。式田さん曰く、大槻さんが本展で最も思い入れのある作品で、3・11後の出発点になったものと。アートの神さまが式田さん・澤登さんとぼくを鉢合わせさせてくれたんだな。)

260121 どこに生息? 藤原由葵(ゆき) (~2/1) @ Yokoi Fine Art (三田三丁目)
(驚異の才能だ。「氷炭/Ice and Charcoal」 と 「水火/Fire and Water」 は、終末世界に消防服のごく一部を着衣したセミヌードの女性をハイパーリアリズム描画。「めらめら金魚」 と 「ふれふれ雀」 シリーズも楽しい。昭和53年生まれ、東京藝大油画 博士号。15歳のときから師匠について、卵のデッサン2万枚からはじめた。藤原由葵さんに多くの画廊が殺到したが拒否されるなか、横井勝利さんが3年間ねばって、取扱い画廊となった。)


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